2026.06.09

【PARCO LOVE GAMES】BitSummit PUNCHでPARCO GAMESが見つけたクリエイタータイトル13選(後編)

PARCO GAMES は、インディーゲームを『開発者の情熱や個性が詰まった、プレイヤーに新しい驚きと感動を届ける存在』と信じ、“ゲームが好き”の想いで応援しています。そんな“好き”から発信されるゲームの魅力を、多くの方に届けるために「PARCO LOVE GAMES」の活動を行っています。

今回は、2026年5月22日〜24日に京都市勧業館「みやこめっせ」にて開催された、インディーゲームイベント「BitSummit PUNCH」にて、PARCO GAMESスタッフが特に注目したタイトルを厳選してご紹介します。出展ブースの様子やクリエイターへのインタビューに、スタッフの“ゲームが好き”の想いを込めたコメントを添えてお届け! 前編に続き、後編ではたっぷり7作品をお楽しみください。

 

①Gambonanza

■スタッフによるクリエイター紹介
近年、チェスは大きな盛り上がりを見せています。一方で、「難しそう」「敷居が高そう」と感じている人は少なくありません。フランス出身のゲームクリエイター・Blukuléléさんが手がける『Gambonanza』は、チェスの魅力をしっかり残しながらも、初心者でも親しみやすく楽しめる点が印象的でした。
残念ながら、Blukuléléさんは「BitSummit PUNCH」の会場には来ておらず、そのため今回は本作のパブリッシャーであるMarcoさんにお話を伺ったところ、本作はすでに累計約20万本を販売していると教えてくれました。
また、インタビューでは、ゲーム開発に対する情熱が伝わってくるだけでなく、「創造性とは何か」というテーマについても示唆に富んだ考えが語られました。創造性を特別な才能やひらめきとして捉えるのではなく、「さまざまな影響や経験が組み合わさることで生まれるもの」とする考え方には、非常に共感を覚えました。


■開発者インタビュー
ーこのゲームで一番こだわった部分はどこですか?
実在するチェスプレイヤーをモチーフにしたボスたちです。例えば、「M3CH4GNUS C4RL53N」はマグヌス・カールセン選手に着想を得ています。彼が提唱する「フリースタイルチェス」は、創造性や適応力が重視されます。彼のプレイスタイルを表現しようと、ボスには駒をシャッフルする能力を持たせました。
本作のボスたちは、チェスの歴史に宛てた「ラブレター」のような存在です。それぞれが独自のビジュアルやゲームシステムを持ち、プレイヤーの前に立ちはだかります。デザイナーとして最も楽しく制作できた部分であり、出来栄えにも非常に満足しています。

ーゲーム以外のどのような活動や体験から創作の影響を受けていますか?
本作は、ポーカーベースのゲーム『Balatro』や、ドラマ『クイーンズ・ギャンビット』から影響を受けていますが、それだけではありません。ボスの中には、日常で偶然出会った出来事から着想を得たものもいます。また、私はクライミングや散歩が好きで、そうした「余白の時間」に自然と新しいアイデアが生まれ育つことが多いです。
私にとっての創造性とは、突然素晴らしいアイデアがひらめく魔法のようなものではなく、さまざまな経験やインスピレーションを組み合わせ、そこに自分らしさを加えることです。故に、うまくいくこともあれば、ひどい結果になることもあります(笑)

ーゲーム開発を通して伝えたいメッセージはありますか?
本作を制作するにあたり、明確な意図がありました。それは、親しみやすいチェスを作ること。私自身、昔からチェスに興味があったものの、難しく近寄りがたい印象がありました。同じように思う人たちに向け、遊び心があって親しみやすいチェスを作りたかったのです。
難しそうに見えるものも、一歩近づいてみれば意外と楽しい。そんな気づきと喜びを、本作を通して伝えられたらうれしいです。

ーインディーゲーム開発を続けるモチベーションは何ですか?
たくさんあります!私にとってゲームは、無限の遊び場のような存在。ゲーム開発は、尽きることのない好奇心と創造する喜びを結びつけてくれます。プロジェクトが生まれるときはいつも、新たな興味と学びへ飛び込む絶好の機会です。ときに困難も訪れますが、私は心からゲームづくりを愛しています。次なる作品も、皆さんにお見せするのが待ちきれません!

■作品概要
開発:Blukulélé
作品ページ:(Steam)https://store.steampowered.com/app/3509230/Gambonanza
『Gambonanza』は、チェスの駒が小さな盤上でハイリスクな戦いを繰り広げる、タクティカル・ローグライクゲーム。本作での勝利条件は、キングを獲ることではなく、盤上の駒をすべて獲ること。ルールを一変させるアップグレードや盤のタイル、駒のシナジーを駆使し、無限の戦略に没頭せよ! ユニークなボスたちとの緊張感あふれる対決も必見。

②レジーといとこ+科学者[×2]=この世の終わり!?

■スタッフによるクリエイター紹介
本作を制作した「degoma」は、スペイン人の姉弟・グロリアとフランク・ガルシアが設立したゲームスタジオです。(お二人は、空港で声をかけられる “あの”日本のテレビ番組にも出演したことがあるのだそう)
本作に惹かれたきっかけは、トレーラーでした。そこには、「ゲームそのものを超えた世界観を作る」という挑戦が感じられました。主人公の「レジー」は、プレイヤーが操作するキャラクターであり、思わず笑ってしまうシュールで魅力的なアニメーションシーンの主役でもあります。ブースにはレジーのぬいぐるみが置かれ、ゲームの枠を超えた存在になりつつあるのを感じました。
これだけの世界観やキャラクター展開を、たった2人のインディークリエイターが生み出していることに驚かされました。もしかしたら、いつか本当にレジーがアニメ化される未来が訪れるかも…!?

■開発者インタビュー
ーこのゲームで一番こだわった部分はどこですか?
グロリア:アニメーションのイベントシーンです。私のユーモアがプレイヤーに受け入れられるかとても不安でしたが、イベントシーンを見て笑ってくれたり、キャラクターたちを気に入ってくれたりする姿を見て、本当に安心しました。
フランク:私が最もこだわったのは、コンボシステムです。本作では、敵を連続で倒すとコンボを繋ぐことができます。シンプルなアクションゲームに見えるかもしれませんが、滑らかなコンボのルートが成立するように、敵の配置など細かく調整しています。コンボシステムによって、ゲーム上級者やスピードランナー向けの新たな奥深さが生まれているのが本作の特徴であり、その完成度には私自身とても満足しています。

ーゲーム以外のどのような活動や体験から創作の影響を受けていますか?
グロリア:私は車移動のときにアイデアが思い浮かぶことが多いです。車に乗って景色を眺めていると、バラバラだったアイデアが繋がりはじめ、物語の欠けていた部分が自然と見えてきます。私にとって車での移動時間は、創作に欠かせない大切な時間です。
フランク:私はもともとクラシック音楽の作曲を学んでいました。ゲームのレベルデザインにおいて、その経験は大きく影響しています。音楽もレベルも、まずはひとつのアイデアや仕掛けから始まり、それを少しずつ発展させていくのです。ゲーム全体のテンポや構成には、音楽的な考え方が強く反映されています。

ーゲーム開発を通して伝えたいメッセージはありますか?
本作の中心にあるテーマのひとつは、「未来とは何か」という問いです。
物語では、異なる二つの未来が描かれます。ひとつは、希望にあふれる未来。もうひとつは、悲観的な終末を迎える未来です。作中のキャラクターたちはそれぞれ異なる未来観を体現しており、その対立が物語の軸となります。ぜひ、そういった点にも注目してプレイしていただけたらうれしいです。

ーインディーゲーム開発を続けるモチベーションは何ですか?
本作を応援してくれる人たちの存在です。長年開発を続けるなかで、レジーの世界を心から愛してくれる多くのプレイヤーと出会いました。そうした人たちの熱意が、私たちを前進させてくれます。ゲーム開発を通して得た出会いと経験が、私たち姉弟に特別な創造をもたらし、人生を豊かに彩ってくれています。

■作品概要
開発:degoma
作品ページ:(Steam)https://store.steampowered.com/app/2848910/x2/
『レジーといとこ+科学者[×2]=この世の終わり!?』は、丸々としていて、陽気で、ちょっぴりドジなヒーロー「レジー」を主人公とした、アクションアドベンチャーゲーム。1万6000世紀から来たレジーは、遥か未来の科学を復興させるため、重力を操る力を駆使しながら困難に立ち向かう。爽快感あふれるハイスピードアクションと、愉快なアニメーションストーリーに心躍る一作。

③Astromine

■スタッフによるクリエイター紹介
『Astromine』は、カナダ・トロントに拠点を置くゲームスタジオ「Alientrap」が開発する作品です。作中で探索する小さな惑星は、まるで巨大な遊び場。ほぼすべてのものを壊したり、加工したり、作り変えたりすることができます。惑星の反対側までトンネルを掘りたいと思えば、それも実際にできてしまうのです。
本作には、ピクセルの概念を3次元に拡張した「ボクセル技術」の魅力が原点にあり、その可能性を追求したいという想いから作品が生まれています。クリエイターのLee Vermeulenさんは、ボクセルベースの世界こそが今後のゲーム開発における重要な方向性のひとつであり、より物理的で、反応性があり、生きた世界を実現できると考えています。
実際に話を聞いてみると、本作は単なる宇宙サバイバルゲームではなく、「世界のすべてが実際の物質として存在したら、どんなゲームプレイが生まれるのか」を探求する作品なのだと感じました。

■開発者インタビュー
ーこのゲームで一番こだわった部分はどこですか?
ボクセルベースの物理システムと、それを中心に構築されたゲームプレイです。私たちは、「もし世界のすべてが実際の物質でできていたら、どのようなゲーム体験が生まれるのだろうか?」という問いを常に考えています。
本作では、素材が実際の物質として物理的な性質を持っています。例えば、木材で建築をすれば燃える可能性がありますし、建築の構造が弱ければ圧力によって崩壊することもあり得ます。また、敵対するロボット勢力が拠点を襲撃してくるので、どのように基地を設計し、防衛するのかが重要です。
建築から戦闘まで、あらゆる要素に反映されている物理システムこそが本作ならではの特徴であり、最もこだわっている部分です。

ーゲーム以外のどのような活動や体験から創作の影響を受けていますか?
ゲーム開発における技術そのものから、多くのインスピレーションを受けています。特に、ボクセル技術には強い魅力を感じます。
従来のゲームに登場するオブジェクトが見た目だけの存在であることが多いのに対し、ボクセルベースの世界では物体が実際の体積や物理的な性質を持ち、それぞれが物理法則に従って存在します。そんな世界から生まれる新たな可能性を探究するために、本作の多くのゲームシステムは設計されているのです。そして、その可能性の探究は「ゲームの未来」を形作るための方向性として非常に興味深く感じています。

ーゲーム開発を通して伝えたいメッセージはありますか?
本作には特定のメッセージがあるわけではありません。ただ、ひとつ挙げるとすれば、「より多くのクリエイターに、ボクセルベースのゲーム開発に挑戦してほしい」という想いがあります。今後、同じ方向性に挑戦するゲームがもっと増えてくれたらうれしいです。

ーインディーゲーム開発を続けるモチベーションは何ですか?
開発プロセスそのものですね。何かを作り出し、課題を解決していくことが純粋に好きなので、ゲーム開発はとてもやりがいがあります。ゲームで遊ぶことよりも、作ることの方が楽しいとすら感じます。
もちろん、プレイヤーに楽しんでもらえることもうれしく、モチベーションにつながりますが、それは副次的なものです。新しいものを生み出す喜びこそが、私が開発を続ける最大の原動力です。

■作品概要
開発:Alientrap
作品ページ:(Steam)https://store.steampowered.com/app/1833210/Astromine/
『Astromine』は、完全に破壊可能なボクセルベースの惑星を舞台とする、協力型サバイバルクラフトゲーム。プレイヤーは太陽系を巡る戦争に参加する機械兵となり、エイリアンと戦ったり、拠点や宇宙船を建築したりしながら、太陽系を征服するのに十分な資源を集めようと奮闘する。素材すべてが実際の物理特性を持つ世界を生き抜くには、サバイバル力のみならず、“工学的判断” が求められる。

④Sloppy Forgeries

■スタッフによるクリエイター紹介
『Sloppy Forgeries』のルールは、とてもシンプル。世界的に有名な名画を相手より早く描き上げることが目的です。ゴッホの名作に挑戦するもよし、モナ・リザを盛大に描き損ねるもよし。その結果、生まれる作品の数々は、とにかく笑いを誘います。
特に面白いと感じたのは、本作が「創作そのもの」を語っている点です。絵を描くこと、アートは「完璧」が求められると考える人は少なくありませんが、本作はそんな考えを吹き飛ばしてくれます。与えられた時間はわずか数分。その間に世界屈指の名画を再現せねばならず、悩んでいる暇はありません。とにかく手を動かし、描き続けるしかないのです。
本作を手がけるクリエイターのJonah Warrenさんは、ゲームデザインを教える大学教授であり、アートへの深い愛情を持った、とても親切で思慮深い方です。実際にお話を伺ってみると、本作が単なる「おもしろパーティーゲーム」ではなく、彼の情熱や人柄、ユーモア、そして創作に対する考え方がひとつの作品として形になったゲームなのだと感じました。

■開発者インタビュー
ーこのゲームで一番こだわった部分はどこですか?
プレイヤーの筆使いや制作過程を記録・保存するシステムです。ゲーム内で描かれた作品はすべてプレイヤーたちの表現の記録として蓄積され、さらにはそのデータを活用することもできます。例えば、全プレイヤーが描いたモナ・リザを平均化すると、まるで幽霊のような不思議なモナ・リザが生まれます。同じ絵を描こうとしても、人によって全く異なる表現になる。その軌跡を集めて可視化できることに、私は面白さを感じています。
そのほか、世界的な名画をゲーム向けに簡略化する作業にもこだわりました。元の作品らしさを残しながら、制限時間内でも楽しく再現できる形に落とし込むことを意識しています。

ーゲーム以外のどのような活動や体験から創作の影響を受けていますか?
私はニューヨークのパーソンズ美術大学でアートを学び、デジタルアートやインタラクティブな表現ツールに興味を持つようになりました。特に影響を受けたのが、実験的なドローイングシステムを制作しているデジタルアーティストのゴラン・レヴィン氏です。
人間の創造性や表現、そして遊び心への興味を掻き立て、予想外の結果を生み出すような体験・ツールを作ることが、私の創作の原動力です。

ーゲーム開発を通して伝えたいメッセージはありますか?
「人間らしい表現を祝福すること」です。近年はAIによって大量のコンテンツが生み出されていますが、だからこそ人間ならではの不完全さや偶然性には価値があると感じています。
本作では、失敗にこそ面白さがあります。友人と笑い合いながら制作の過程を楽しみ、不完全さを肯定し、人それぞれの表現の違いを味わうことが大切なのです。創造性は完璧でなくても価値があり、そして楽しいものだということを本作で伝えたいです。

ーインディーゲーム開発を続けるモチベーションは何ですか?
今回の「BitSummit PUNCH」を含め、実験的なゲームを歓迎する展示イベントに参加することが私のモチベーションです。既存の枠組みにとらわれず、新しいアイデアに挑戦するクリエイターたちと出会える場がとても好きです。
ゲームメディアは、私たちが思っている以上に可能性を秘めています。ジャンルや定番の仕組みが確立されている一方で、まだ誰も探索していない領域も数多く残されています。だからこそ、これからも新しい表現方法を探求し続けたいと思います。

■作品概要
開発:Playful Systems LLC
作品ページ:(Steam)https://store.steampowered.com/app/3030560/Sloppy_Forgeries/
『Sloppy Forgeries』は、有名な絵画をスピーディかつ正確に模写して競う対戦型ペイントゲーム。制限時間内に描き上げた作品はピクセル単位で測定され、元の絵画と合致するピクセル数が多いほど高スコアとなる。ただし、本作の魅力は「失敗」にこそあり。美術史に残る50の名作を模写しながらアートに触れ、人それぞれの表現を楽しみ、創作の喜びを体感しよう。

⑤Am I Nima

■スタッフによるクリエイター紹介
『Am I Nima』は、バンクーバーを拠点とするゲームスタジオ「HO! Games」が制作を行っています。今回の「BitSummit PUNCH」が初の日本出展であり、会場では日本語対応デモを試遊することができました。少女、脳内、ホラー、精神的恐怖…すべての要素が大好物で、私も「会場で絶対に遊ぼう!」と決めていた作品です。
自分が何者なのか思い出せない主人公の「ニマ」。母親のニマに対する歪んだ愛と執着で、ニマ自身も徐々に歪んでいく様は、恐ろしくも先を見ずにはいられません。言葉を合体させることで新たな記憶が蘇るメカニクスも、予想不能な単語が次々と飛び出してきて非常にユニークでした。新たな記憶が呼び起され、ニマの過去や隠された真実が明らかになっていく展開にどんどん引き込まれていきます。
Steamではデモ版が配信されているので、今回のインタビューを読んでビビッときた方は、ぜひご自身でプレイすることをおすすめします。

■開発者インタビュー
ーこのゲームで一番こだわった部分はどこですか?
ゲームプレイとストーリーテリングの「結びつき」です。プレイヤーには、ニマの脳内を実際に探索しているような感覚を味わい、ニマと一体化してほしいと考えました。そのため、彼女の脳内で繰り広げられる「言葉の組み合わせ」には膨大なパターンを用意し、それぞれに反応があるよう作り込んでいます。脳内の多種多様な反応から導き出された言葉は、母親との会話でさらなる記憶を呼び覚ますきっかけを生み、プレイヤーを物語の真相へと誘います。

ーゲーム以外のどのような活動や体験から創作の影響を受けていますか?
自然を観察すること、世界について知ることが大好きです。なかでも特に好きなのが、博物館で化石や模型をスケッチすること。つい先日も名古屋市科学館に行き、たくさんのインスピレーションを受けました。ほかにも、自転車に乗ったり卓球をしたり、友達とビーチに行くこと、たくさんの映画や番組を観ることなど、さまざまな体験が私をクリエイティブなエネルギーで満たし、アイデアを山ほど与えてくれます。

ーゲーム開発を通して伝えたいメッセージはありますか?
私たちのゲーム開発を通じて、「奇抜で斬新なアイデアへの賭け」が成功するところを示したいです。2年前、私が仕事を一時解雇された後、兄と一緒にスタジオを立ち上げました。そういった経緯があるからこそ、自分自身が面白い!楽しい!と感じる、「自分ならではの作品」を作りたいと考えたのです。初めて開発を行うにはリスクの高い挑戦かもしれませんが、最終的には、そうした私自身の体験や想いが本作の独自性を際立たせる助けになっていると思います。

ーインディーゲーム開発を続けるモチベーションは何ですか?
私は、小学生のころに「RPGツクール」と出会ってから現在に至るまで、ずっとゲーム開発に夢中になっています。そのため、私の一番のモチベーションは、ゲームを作ること自体の充実感であり、「自分が誇りに思えるものを作りたい」という純粋な想いにほかなりません。
加えて、ファンの皆さんからの応援も開発の原動力になっています。素晴らしいファンアートの数々が私に多大なエネルギーを与えてくれますし、「最高の作品に仕上げよう!」という決意をさらに固くしてくれます。自分が大好きなゲーム作りを生業にできるのは、本当に幸運なことです。この夢が少しでも長く続くことを願っています。

■作品概要
開発:HO! Games
作品ページ:(Steam)https://store.steampowered.com/app/3224600/Am_I_Nima/
『Am I Nima』は、記憶を失くした主人公「ニマ」の精神をコントロールするサイコロジカルホラーゲーム。母親によって薄暗い地下室に閉じ込められたニマは、母親との「会話テスト」をクリアしつつ、地下からの脱出を目指す。ニマの記憶を呼び覚ますため、プレイヤーは彼女の脳内でさまざまな「言葉」を組み合わせながら、真実へと歩み寄る。不穏な雰囲気漂うビジュアルと斬新なゲームシステムが魅力の一作。

⑥The Void Between

■スタッフによるクリエイター紹介
今年の「BitSummit」で間違いなくイチバンの問題作!(個人的に)
ゲーム自体はポイント&クリックのよくあるアドベンチャーなのですが、実写の没入感と映画さながらのカメラワークでプレイヤーをゲームの世界にぐいぐい引き込んできます。
本作を制作するのは、ゲームと映画をこよなく愛する、イギリス出身の兄弟・クリスとベン。主人公を演じているのが兄のクリスで、作中では走ったり叫んだり踊ったり大忙し! 実際にお話を伺ってみても、めちゃくちゃ面白くて変わった人でした。会場では、なぜか毎日何度もPARCO GAMESのブースに遊びに来ては、いろんな話をして帰っていく。もちろん弟のベンも遊びに来る。自分たちのブースにいなくていいの!?(笑)
村上春樹氏の小説『アフターダーク』が大好きなふたりが創る、ゲームの枠を軽々と飛び越えたゲームアート作品です。

■開発者インタビュー
ーこのゲームで一番こだわった部分はどこですか?
本作には、私たち兄弟の趣味や情熱、そしてこれまで培ってきた創作の経験が数多く詰め込まれています。弟のベンはゲーム開発を、兄の私は映画制作や演技、執筆といった分野をバックグラウンドに持っています。兄弟が一緒に創作をすることで、それらすべての要素をひとつの作品に融合し、あらゆる情熱をゲーム体験として形にできたことを、とても誇りに思います。

ーゲーム以外のどのような活動や体験から創作の影響を受けていますか?
ランニングや運動、瞑想、散歩など、世界とのつながりを感じられる時間です。私にとって創作とは、必ずしも知的な作業とは限りません。立ち止まり、今この瞬間を感じ、自然とつながることで生まれるアイデアもたくさんあります。
また、読書もインスピレーションの源です。特に村上春樹氏の作品には強い影響を受けており、読者の解釈に委ねられる夢のような世界観の作り方に魅力を感じています。その考え方は、本作のストーリーテリングにも反映されています。

ーゲーム開発を通して伝えたいメッセージはありますか?
本作の中心にあるテーマは、「恐れと向き合うこと」です。主人公は不思議な精神世界へ迷い込み、自分自身の「影」のような存在と出会います。プレイヤーは物語を通して、不安や恐れ、自分の内面にある暗い部分と向き合うことになります。
私たちはしばしば恐れの感情によって行動を制限され、本当に望む方向へ進めなくなってしまいます。複数のエンディングや解釈の余地を残した物語を通し、プレイヤーに自分自身の恐れとどう向き合うかを考えてもらえたらと思います。そして、本作での体験が、自分を見つめ直し、癒やしや成長に繋がるきっかけになればうれしいです。

ーインディーゲーム開発を続けるモチベーションは何ですか?
私にとって最大のモチベーションは、アイデアそのものです。まだ存在していないものを形にし、この世界に生み出すことに大きな喜びを感じます。また、創作は自分自身を知るためのプロセスでもあります。執筆や映画制作、演技、そしてゲーム開発を続けていると、自分でも気づいていなかった一面を発見することがあります。だからこそ、私はこれからも新しい作品を作り続け、自分自身を探求する旅を続けたいと思います。

■作品概要
開発:Key Compass
作品ページ:(Steam)https://store.steampowered.com/app/2678440/The_Void_Between/
『The Void Between』は、超常現象が渦巻く異世界を舞台に、フルモーションビデオとポイント&クリックアクションを融合させた実写パズルゲーム。プレイヤーは目眩く難題を克服しながら、現実と幻の境界線を解き明かすことに無我夢中になる。どんな物語の結末を迎えるのかは、あなたの選択次第だ。ゲームプレイであることを忘れるほどの没入体験を堪能できる意欲作。

⑦Heartreasure: Stellar Journey

■スタッフによるクリエイター紹介
「BitSummit PUNCH」にて、私たちPARCO GAMESのパブリッシングタイトル『Finding Polka』のお隣で出展されていた、“アナログタッチ仲間”の『Heartreasure: Stellar Journey』。本作を手がけるasahaさんは、ゲーム開発のみならず、ピクセルアートのアニメーションや色鉛筆イラストなど、さまざまな創作活動を行っています。(「ドコドコうさぎ」シリーズもとっても可愛いので、こちらもぜひ!→https://www.youtube.com/playlist?list=PLKOqicFujVOhenl71uTx_eowtb-vh70OM
気になる本作を早速プレイしてみたところ、「イイデスネ~この世界観!」と即お気に入りに。ステージはさまざまなギミックで溢れていて、どれもこれも演出とアニメーションが可愛く、特に肉球を触ると音が出る演出がツボでした。また、作中の音楽も素敵で、思わずグッズのカセットテープを買ってしまいました。
本作では、動く絵本のようなしかけを解きながら「ハート」を探します。そういえば『Finding Polka』もハイタッチをするとキャラにハートが付くようになっている。両作はアナログタッチ仲間でもあり、“ハート仲間”でもあるのだ!

■開発者インタビュー
ーこのゲームで一番こだわった部分はどこですか?
手描きの「アナログ感」にこだわっているので、すべてボールペンで手描きしたアートを元に制作しています。また、作曲家の椎葉大翼氏が本作の世界観に合わせて書き下ろした、ピアノ独創曲にもこだわりが詰まっています。ホールを貸し切り、希少なオープンリールテープを使って収録された音楽は、アナログ録音ならではのあたたかくやわらかな響きで本作を彩ってくれます。
開発プロセスも、手描きのアートと音楽が先行し、それらを後からゲームとして組み立てていきました。実は、4ヶ月という短期間で制作した作品なんですよ。

ーゲーム以外のどのような活動や体験から創作の影響を受けていますか?
私は、自作のキャラクターコンテンツをメインに活動しており、YouTubeやXを中心にSNSで作品を発表しています。イラストやアニメーション制作、グッズ販売や個展の開催など、多岐にわたる創作活動のひとつに本作のゲーム開発があり、それぞれの分野での経験が、それぞれの創作に活きていると思います。

ーゲーム開発を通して伝えたいメッセージはありますか?
私は学生のころからゲームを作り続けてきて、ゲーム開発がライフワークになっています。前述のような、自作のキャラクターコンテンツを軸にした創作活動のみならず、いち会社員として働いていたころの仕事も含め、さまざまな経験から培った技術の集大成が「ゲーム」なのです。だからこそ、「人生に無駄なことなんてない」と思いますし、少しでもそれが伝わったらうれしく思います。

ーインディーゲーム開発を続けるモチベーションは何ですか?
創作活動そのものですね。人生の集大成たるゲームは、これからもずっと作り続けていくと思います!

■作品概要
開発:asaha
作品ページ:(Steam)https://store.steampowered.com/app/3530160/Heartreasure_Stellar_Journey/
『Heartreasure: Stellar Journey』は、手描きイラストの中に隠れたハートを探す、ポイント&クリック型のパズルゲーム。可愛くてちょっとヘンテコな惑星には、心躍る仕掛けが満載! 優しいピアノ演奏が流れる穏やかな世界で、自由気ままにハートを集め、広大な宇宙を旅しよう。ドキドキわくわくなゲーム体験と、ほっと心休まる癒しのひと時が味わえるハートウォーミングな作品。

前後編にわたってお届けしました、「BitSummit PUNCH」のインディーゲーム特集はいかがでしたでしょうか? 今回ご紹介したクリエイターのインタビューやスタッフのコメントが、作品と皆さんとの出会いを生む素敵な「ご縁」になればうれしいです。 そして、PARCO GAMESはこれからも世界中のインディーゲームタイトルを、“ゲームが好き”の想いで応援し続けます!
(取材:PARCO GAMES スタッフ / テキスト:日比佳代子)